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2008年7月16日 (水)

ああ 悲恋十年

Photo 田宮虎彦著「悲恋十年」 角川文庫短編集

昭和25年から31年までの作品集です。

長い長い年月、本棚に置いていたまま、再読することもしなかった、

僅か40ページほどの短編です。

本棚の本を整頓しながら、見つけた時点で整頓の手を休め、

しばし読み耽ってしまった。

突然に断ち切られた純愛、

戦時下での画学生がヒロインなのです。

言葉にすれば、逃げるように去った男の姿を追い求める。

腑に落ちないまま流転をしても、相手への愛情はブレない。

結末では別れたそのわけを知らされるのですが、皮肉にもそのわけとは…

一気に読み終えて、ああ、重い。

Photo_2純愛、純潔、相思相愛、

すべては純真から始まり十年が過ぎ去った。

ヒロインには作家の愛情がそそがれますので、

そこは救いでもありますのね。

Photo_3 Photo_4

後日、

浜松のフレッシュネスバーガーに立ち寄れば、

襟足に少女っぽさの残る女性が、ご本を読みながらのティータイム、

わたくしは連れと窓辺に座り、珈琲だけ淹れていただきティータイム、

少女のような娘さんは、何のご本を読んでいるのかしら?

若い時は速読した本を再読すれば、

歳を重ねた分だけは文字を追うことが遅くなり、

文字を拡大鏡で追う場合もあるからして、さらさらと読みこなせない。

ましてや文庫本は小さな文字ををまさぐらなくてはならず。

「悲恋十年」は痛々しいわと数日間も思いながら、

いつまでも痛々しさが頭を掠める読後感から、

脱却できずにいる自分こそが、痛い人みたいと、

珈琲を手に少したそがれてしまいました。

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